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後ろからスッと伸びた手に、双眼鏡とサイダーを取り上げられた。
慌てて後ろを振り返ると、癖のきつく濃い赤毛に青い瞳の、白人の中年男性がニヤリと悪戯っぽい笑みを浮かべながら立っていた。
その男は、取り上げた宇佐のサイダーをすかさず一気に飲み干してしまった。
「ああっ・・僕のサイダー・・ああああ・・・・」
宇佐は余りのショックで口をあんぐり開けている。
男は口元を手の甲で拭い、瓶を倉庫の隅に積み上げられた木箱の中に無造作に放り込んだ。
「I think you are a pretty cool person, are not you?
At least you care about your appearance, There is no need to be sick.
I guarantee.」
(俺はお前はかなりイケてる方だと思うがな?
少なくともお前は、あまり容姿を気に病む必要は無い。
俺が保証する)
その中年男性は、開けたままの宇佐の手帳の中の情報を素早く読み取りながら、双眼鏡を返した。
視線の動きでそれを察知した宇佐は、素早く手帳を閉じてポケットにしまい込んだ。
そして、差し出された双眼鏡を素早く奪い取った。
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