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「That shimmering boisterous ship is a dangerous ship.
Please return within missing」
(あのキラキラした派手な船はヤバい船だぞ。
見つからない内に帰りなさい)
男のこの一言で、殺し屋の線は消えた。
殺し屋なら、問答無用で背後から忍び寄り、そのまま確実に仕留めてしまえばいいだけの話だ。
だが、この男はそうはしなかった。
宇佐はわざわざ忠告してくれた、明らかに外国のエージェントらしい男に皮肉たっぷりに笑顔で礼を述べた。
「Ha ha- , Thank you kind old man! I am going home, goodbye!」
(はぁ~い、有難う親切なおじさん! 僕帰るね~、さよなら!)
満面の笑顔で軽くお辞儀をし、双眼鏡をカバーに戻し、肩にかけると宇佐は素早くその場を離れた。
バイクに跨り、凄まじい勢いで立ち去った少年を見送ると、赤毛の中年男性は苦笑いした。
「Damn, that brat caught me an old man!」
(くそ、あのガキ・・俺をおっさん扱いしやがって)
宇佐はバイクでその場を離れ、一旦立ち止まる場所を探して顔を上げた。
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