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宇佐はたまっていた不満を、思い切り上官である南部に捲し立てた。
「・・・・すみません」
その剣幕に、日向と高千穂が恐縮して謝罪した。
南部は大きく息を一つ吐くと、ちらりと日向と高千穂の二人をを見つめた。
「こいつらがそんなに気になっていたのか。・・因みに、私達をつけるように指示を出したのはやはり、隆一郎か?」
「・・ええ。僕達は彼の指示でしか基本動きませんから」
「そうか・・・。大佐は本当に素晴らしい方だったな。よもや利かん気が強くて扱いづらかったお前達を、此処までの猛者に仕上げられるとはな・・・」
南部は眼鏡を外し、潤んだ目を拭うとハンカチで鼻をかんだ。
そんな南部に溜息をつきながら宇佐は睨みつけた。
「そんな事が訊きたいんじゃないんですけど? 感傷とかそう云うしょっぱいの、要りませんからさっさと核心教えて下さいよ。こっちは余り時間が無いんですから」
そんな苛ついた宇佐を継科がなだめる。
「まあ落ち着いて、先ずはゆっくりご飯でも食べなよ。君の分、ちゃんと用意しておいたから」
宇佐はじっと継科を見つめた。
「・・・サイダー、ある?」
「死ぬ程あるよ、好きなだけ飲めばいい」
継科がまたからからと朗らかに笑う。
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