間諜と謀略の狭間で

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 「じゃあ、大人しくする。でもあんまり時間が無い、夕方には隆一郎と交代しなくちゃならないからね」  宇佐は大きく溜息をつくと、促されてどっかと椅子に腰かけた。  「いっただっきま~す」  「ハハッ、好きなだけどうぞ」  「ありがと」  そしてそのまま誰に遠慮する事無く、宇佐はバクバクと昼食をがっついた。  勿論、サイダーをたらふく腹に流し込みながら。  「う~ん、君といい上官の南部といい・・本当にいい食べっぷりだね~ハハハ」  目を細める継科に、国峻も頷き、笑った。  メニューは刀削麺に水餃子、チャーシュー・干しエビ・貝柱の干物や筍などの具材がたっぷり入った粽、デザートには桃饅頭。  宇佐がサイダーの三本目を飲み終え、桃饅頭に手を伸ばした時、  「ああ、私の分も残しておいてくれ」  と南部中佐が注文を付けた。  宇佐は相当にストレスが溜まっていたらしく、南部中佐を睨みつけつつサイダー片手に、桃饅頭を口いっぱいに押し込んで皿を空にしてしまった。  口をパンパンにしながらもごもごと咀嚼する宇佐に、南部が絶叫した。  「ああああ! 何て意地汚いんだ、お前は! ああ・・私の桃饅が・・・・」  宇佐はフンとそっぽを向き、サイダーで桃饅頭を胃袋に流し込んでしまった。  そんな二人に、継科と国峻が顔を見合わせて苦笑いした。     
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