間諜と謀略の狭間で

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 「ハハハ・・・・大丈夫、まだたくさんあるから」  「全く・・・お前達は相変わらずだな・・・」  四本目のサイダーを飲み終えた宇佐は、手を合わせ「ご馳走様でした」と挨拶した。  そして胸ポケットから手帳を取り出し、南部に手渡した。  「先程までの記録です」  南部はその手帳をぱらぱらと捲り、大まかな情報を頭に入れると宇佐に返した。  「この短時間でよく調べ上げたな、ご苦労」  「新宿の花園神社の裏に、アメリカのスパイのアジトが有りました。詳細は此処に書き記しておきました。ご覧になった通りです。追加の調査は帰還次第取り掛かるつもりです」  そこまでの報告を済ませると、宇佐は南部から継科に向き直り、その瞳をじっと見つめながら問うた。  「・・・継科、やっぱ君ならあの船が一体誰の持ち物なのか知ってるよね? それと、赤い金髪に朱色の瞳のきっれーな若い男と、同じく肩までの黒髪の美人過ぎる位美人の若い男と、汚ったねえボサ髪の、くたびれたスーツ着た背の高い中年男なんだけど・・そいつら、誰?」  宇佐の問いに継科は表情を変えずに笑っていたが、国峻は顔色をあからさまに変えた。  「・・知ってるよ、三人共。船の事もね」  継科は微笑みながらお茶をくいと飲んだ。     
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