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遠野さんが1日の流れを説明してくれて、大体は前と同じことで少しだけ安堵をして席についた。遠野さんに聞きながら仕事をそれとなくこなしてランチタイムになると遠野さんと早見さんが誘ってくれて一緒に近くのカフェへと入った。聞かれることは大体想像はしていたけれど何度もあのリアンヌがと言われるとだんだん積み重なっていくものがあってその怒りが露わにならないように水面下に自分の気持ちを隠しながら話をした。
「わか様も早見ちゃんもそれぐらいにしておけよ。リアンヌがって言いすぎだぞ、月野さんの気持ちは少し考えろ」
背後から降りてきたその懐かしい声に頬が緩みそうになりながら、振り返った私の目の前にはあの時より髪の毛が短くなって、少しだけ白髪が増えて、お腹が少しスーツのズボンの上に乗ってる彼がいた。
「あ、柚原くんお疲れ様~今日は早かったんだね」
遠野さんは手をヒラヒラと振ってから私の空いてる隣に座るように手でジェスチャーした。何事もないかのように横に座った彼はそのまま手をあげてメニューも見ずに慣れたように注文をして、前を向き直った。
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