第4回   セレンと紅《くれない》の王子(2)

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従者を問い詰めたところ、魔導師の宿舎に寄留している子どもと出かけたということだった。 「セレンとか」  いきさつはわからなかったが、気に入ったかして連れて行ったのだろうと思われた。さらに昨日、白衣の男がラウドを尋ねてきたと聞かされた。 「風体からして、マシンナートだな」  ヴィルトが言うとみな狼狽して横のもの同士でざわざわと話始めた。 「そういえば、南の平地にトレインが移動してきたという報告が」  教導師のひとりが言った。 「殿下にマシンナートが近づいたこともわからなかったのか。役立たずばかりと非難されてもしかたがない」  ヴィルトが音高く席を立った。王太子護衛部隊の隊長イリィ・レンを連れて、学院を出た。イリィが、部隊数人の騎馬兵を連れてヴィルトの後を追った。急にヴィルトが走る馬上に立ち上がった。イリィは驚き、ヴィルトの馬に近づいた。 「一足先に向かう!そのまま向かってくれ!」  ヴィルトの体が空に浮き、旋風となって南に向かって飛んでいった。イリィも後続の兵馬を促して速度を上げた。
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