ファーストコンタクト

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ファーストコンタクト

 臼井さんか席を外していて、俺は目の前の原画に集中していた。 「あっ‥‥」  臼井さんの声と紙が散らばるような音に振り返る。 「ごめん、臼井さん。悪いけど部長の呼び出しで急いてるんだ。おい、宮原、代わりに手伝ってやってくれな」  そう言って駆け足で去っていく同僚。 「あ、はい。手伝います」  席を立って書類を拾おうとすると、 「心配無用です。問題ありません」 「うっ‥‥そう言わずに。し、仕事仲間じゃないか」  一瞬、怯んでしまったけど、書類を拾うのを手伝う。  拾い終わって、俺が持ってる分をデスクでトントンと揃える。 「あ、ページがバラバラになってる。並べ直さないと‥‥」 「自分で出来ます。‥‥ありがとう」  僕の持っていた書類の半分を取り上げ、自分のデスクでページの並び替えをしてる。  ありがとう‥‥か。  嬉しいな。  同僚の援護に感謝。
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