終焉とその先の未来

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◇ (多分だけど)ソウタの心情に過敏に反応してるミヤビとソウタに海に行く様に促して、俺だけ先に戻って来た事務所。 ちょっとね、色々出来過ぎてん事が多い気がして カケルと面と向かって二人で話がしたかった。 「ただいま、カケル」 灯りのついてるドアをいつも通りに開けたら 「お帰り、ヤマサン。ってあれ?一人?」 いつも通り返事をしてくれるカケル。 だけど ニッコリ笑うカケルの前には大きな張り紙 『盗聴されてる』 …そっか、そう言う事。 「ミヤビは今、ソウタを慰めてんかな、海で。カイトも合流してると思う。」 「そっか」 カタカタとパソコンをはじく音は普段通り。 「で、あの人は相変わらず目覚めずなわけ?」 「うん。電話で話したまんま、変わりない。」 俺も普段通りに隣の席につく そこで、カケルのキーボードを動かす手が止まった。 「とりあえず、お疲れさま」 その声と同時にすっと差し出される一つの紙 『盗聴器はソファの下』 「こっちも色々分かった事あるからさ」 また一つ 『俺としては、このまま盗聴されてる事を利用しようって思ってるけど、どう?』 「皆が帰って来たら報告するから」 「うん…」 再びパソコンのキーボードを打ち始めたカケルの横に座って顎を机に置いた。 カタカタ・・・って音が、入れ始めたコーヒーメーカーのコポコポって音に混ざり合う。 いつもの『音』達 いつもの風景 「…何?」 俺の視線にふっと目を細めるカケルもいつも通り。 「んー…カケルのイケメンぶりを横から眺めてんだけ。」 それにそう答える俺もいつも通り。 「カケル」 「ん?」 「大丈夫?」 「俺?まあ…寝不足はいつもの事だし?」 「…そか。」 違うのは カケルを纏う 多分、声だけじゃ…盗聴器なんかじゃ感じ取れない、微妙な空気感。 .
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