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◇◇
カイトの話がすすむにつれてポロポロと勢い良く大粒の涙が落ちて来るミヤビ。
ほんと、素直な人だよね、この人は。
真っすぐにミヅキちゃんを想って…さ。
そんなミヤビにカイトも見兼ねてティッシュを差し出す。
複雑なんだろうけど、相手がミヤビだとカイトも優しいよね最後は。
少しだけしんみりした空気が所内を覆う。
静かに話すとあんま良くないよね…多分。
だからといって盛上がるってのも変だし。
どうこの場をまとめよっかな
なんて考えてたけど
『ミヅキちゃんが居るであろう部屋にカイトとミヤビがボーイとして乗り込む』
カケルの紙がテーブルに現れた時、ズビッ!とタイミング良く豪快に鼻をかむミヤビ
『部屋の前は見張りが居る可能せいもあるから、他の同階の部屋を抑えて、天井裏の通気口でそこまでミヅキちゃんを誘導』
「カイト!大丈夫!俺、ミヅキちゃんの事大切にするから!」
『通気口の中の誘導はソウタと連絡取りながら俺がやるから』
「俺さ、もうずーっとミヅキちゃんと一緒に居るって決めた!ちゃんと幸せにする!」
…この人、やっぱり凄いわ。
真面目な報告と作戦会議なんですけどね。
ミヤビの凄さに笑えて来ちゃって、口元隠してお腹抱えて笑う俺。
まあ、それに真面目に反応して怒ってるカイトも大したもんだけど。
ミヤビのミラクルぶりに、眉下げて笑いを堪えてるカケルさんに目をやった。
何となく、カケルにしてはキメの荒い作戦な気もすんだけど。
少しだけ薄曇りの予感が過った。
…とは言え
どうせ正面切って行った所であの二人が登場して厄介な事になりそうだしね
だったら、取り返した後の向こうのアクションで対処してった方が動きやすいのかな。
目が合ったヤマサンはいつもと変わらず、顔を柔らかく緩ませる
『とことん信じるって誓える?』
そう言う事ですよね、ヤマサン。
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