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少ししんみりした私に着替えを渡すミヤビ
「あの。」
「誰も気にしないから、遠慮なく着替えて!」
「“気にしない”はヒドすぎんだろ。」
ニヤケ顔のカイトにムッとして思わず蹴りを入れた。
「カイト!それ以上近寄らないで!」
「はあ?!」
「カイトが怒られた!」
楽しそうに笑うミヤビにも遠慮がちに促す。
「ミ、ミヤビも後ろ向いてて?あの、先頭の二人も前を向いてもらえると…」
「しょうがないなあ。じゃあ今日の所はミヅキちゃんの生着替え見るの我慢する。」
「おじさん、今日の所はって…」
面白そうに口元隠すと「んじゃ、俺も今日の所は我慢しますかね」ってソウタも背中を向けてくれた。
それを確認してから、急いで着替えを済ませる。
「着替えたよ・・・」
声をかけたら一斉に一度振り向いた。
ソウタがキュッと口角をあげてから、前を向いた。
「じゃあ行くよ…っておじさん、言ってるでしょーが、ケツを頭突きすんな!」
「しょーがねーじゃん、目の前にあんだから」
…そう言う問題?
思わず後ろを見たらミヤビがニッコリ
「大丈夫だよ、ミヅキちゃん!俺は触りたいって思わないから!」
その言葉にぶぶって吹き出すカイト
「ソウタ、早く案内して。」
「矛先こっち?!」
ふはって笑う声と共に
「もうすぐ着くからさ」
少し振り返ったソウタの表情が何となく何かを覚悟した顔に見えた。
その後ろを行くヤマサンも同じ様な表情な気がする
気のせいかな…?
引っかかりながらも着いた先の通気口
「お帰り」
身体を受け止めてくれたカケルさんが私を腕に納めたまま、ニコッと微笑んだ。
「後はこっから出るだけだな。」
咄嗟にカイトが私を引っ張る
それをカケルさんが含み笑い。
…何だろ?何かあったかな、二人の間で。
そう思った瞬間だった
「動くな」
振り返ったそこから二つの銃口が向けられてて
サングラスをかけてるスキンヘッドの大男と“アシナガオジサン”が立っていた。
そして…
「っ榊原!」
私の声にニヤリと笑顔を歪ませる
だけど
その隣にはもっと衝撃な光景
榊原の隣に佇むカケルさん
さっきカイトを見ていた優しさは消えて不敵な笑みが浮かんでた。
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