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「…カケル、どういう事?」
あまりの衝撃に、されるがままに縛られてく中で
唯一口を開いたのがヤマサンだった。
床に一列に座らせられると、そんなヤマサンの前にしゃがみ込み、至近距離に顔を覗き込むカケルさん
「ヤマサン、俺は面白ぇ事が好きなんだよね。ヤマサンも同じでしょ?」
自ら後ろに手を伸ばしてヤマサンさんの縄の結び目を確認して、絞め直してる
こんなの目の当たりにするなんて…
自分の目が信じられない
ずっと二人は同じ様な空気の中に居て信頼し合ってるって思ってた。
ジッとカケルさんを見つめ返すヤマサンさんの瞳が揺れてる。
「カケル!嘘でしょ?!どうしてなの?!」
ミヤビが声をあげたら、榊原が銃口をそっちへ向けた。
「当たり前でしょ?
君らとカケルさんじゃ、だいぶ頭のデキっつーもんが違うんだからさ。
そりゃ、利用されてポイってされるのが妥当なんじゃない?」
咄嗟にミヤビを庇う様に前に少し身体をずらしたら、奥から少し低い声が聞こえて来た
「ミヅキ…まだ君は理解してないな、俺のものだって事を。まあ、いい。
今から、君の仲間は全員あの世行きだからな。」
立ち上がってカケルさんの肩に手を置く“アシナガオジサン”
「君を救出する作戦を立てたから、それに乗っかるフリをすればここへ君たちを“招待”出来ると彼が教えてくれたんだ。
…優秀な『仲間』がいて本当に助かる」
“アシナガオジサン”にそう言われて、答える様に小首を傾げてニコッと笑うカケルさん
「何言ってんの?!カケルは、俺達の仲間だよ!」
食って掛かるミヤビにまた榊原の銃口が向けられる
「俺さあ…バカって嫌いなんだよね。死ぬ?」
「やめてよ!」
更にミヤビの前に身体を入れ込もうとしたら、グラサン男に凄い力で引っ張られた。
「お前はそっちへ行って高見の見物でもしてろ。」
そのままドスンとソファに座らされる。
それを面白そうにちらりと見た榊原が安全装置を外す
「「ミヤビ!」」
カイトとソウタが同時にミヤビの前に身体をずらした。
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