愛情の先と事の進展

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「ちょ、ちょっといきなりそんな…」 親御さんに説明もしてないのに。 「ああ、根回しならカケルさんがばっちりやってくれてんから大丈夫。」 カケルさんが… どうやったかは分からないけど、何となくそれなら大丈夫な気がする。 「うーん」って唸った私の頭を今度はポンポンって叩くと少し覗き込むカイト 「お前、入院してた一週間、寝てばっかで体を動かさなかったから、すぐに筋トレしようとか思ってない?」 「だって少し位はやらないと」 「お前、ほんとバカだな」 溜息をつくと、普通にスタスタと家の中へ入って行く。 「今日からお前の傷口がちゃんと塞がるまで、俺、ここに泊まるから。お前が変な行動に出ないように。」 「はっ?!いいよ。帰ってよ。」 怪訝な私を気にも止めず飄々と上着を脱ぐ。 「あ、飯なら心配ないぜ?俺がお前がいつも作ってる数倍上手いもん、作るから。」 「…そう言う事じゃなくて。」 「お前を一人にすると、何しでかすかわかんねーだろ?しょうがねーからさ。」 こうなると頑固だから、絶対曲げない、カイトは。 まあ、しょうがないか。 そのうち飽きて帰るかな… 観念して上着を脱いだら途端にTシャツをめくられる。 「ちょっと!」 「ガーゼにテーピングね。ま、これくらいなら俺でも取り替えてやれんかな」 「はっ?!自分でやるから。」 「遠慮すんなって。一緒に風呂入ってた仲だろ?」 「入った事なんて無いし。」 睨んだ私を笑いながら一緒にキッチンに立つカイト 「お茶でも飲む?」 「飲む。」 そう言ったらまたニッと笑って 「そうこなくっちゃ。」 頬をギュッと掴まれた。
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