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「カケルはさ、やっぱり第一線でカッコ良く活躍してねーとね。イケメンなんだし」
「なにそれ。イケメンは関係なくない?」
若干空笑いした俺にヤマサンは変わらず優しく笑う。
「カケルの方は何か分かった?」
「ああ、コルト・ディテクティブの件?
あれさ、一昔前の自衛隊とかで使われてた代物で、今はほぼ出回ってないんだよね…
園長が持ってたのって、モデルガンじゃなくて完璧に本物だったでしょ?と言う事は、あいつが自衛隊にいて勝手に持ち出したのか?って思って調べてみたけどその形跡は無かったし。
ミヤビを殺す為に誰かから手渡されたって考えた方が自然じゃねーかな」
「そっか…」
普段、全くと言って良い程顔色を変えないヤマサンが眉間の皺をほんの少しだけ寄せた。
俺が旧知の仲じゃなきゃ、多分、気が付かない位、少しだけ。
…『手渡した相手』に心当たりがある、よね。
俺達以外誰もいない屋上
時々通る車のエンジン音が響いて来るくらいで、後はボイラーが音を立ててるこの空間。
あまり多くを語りたがらないこの人から何かを聞き出すにはちょうどいい環境かもしれない。
悪いけど、俺が『必要だ』って思った事はちゃんと話してもらうよ?ヤマサン。
「ねえヤマサン、単刀直入に聞くけど、あのグラサン男、知り合い?」
そう聞いたら困ったように笑う
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