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◇
「はい、リンゴ剥いた!ミヅキちゃんいっぱい食べて!」
「あ、ありがとう。」
それから入院は一週間程続いたけど毎日ずっと付き添ってるミヤビ
面会時間が始まってすぐ位に来て、終わるギリギリまでいる。
事務所の方は仕事が忙しいらしくて
ミヤビ以外の人達は気が付いた最初の時に顔を出して以来、来なくて
カイトに至っては一度も顔を見せなかった。
「ねえ…忙しいのに、ミヤビが私にこんなについてるの、マズくない?」
「大丈夫!俺、頭使うよりこういう方が好きだし。ミヅキちゃんは何にも気にしなくて平気だよ!」
まあ…いっか、ミヤビが笑ってる事だし。
「明日で退院だよね。」
「うん、本当にありがとう、毎日来てくれて。」
「ううん、俺も仕事サボれてよかった。明日の退院の時にまた来るね?
レンタカー借りたから、家まで送る!」
「え?!大丈夫だよ?」
「ダメダメ!絶対迎えに来るから、先に帰んないでよ!」
私の頭をナデナデしながら覗き込むミヤビ
「ミヅキちゃんは何も気にしなくていいって言ったでしょ?俺がしたいんだからそうすんの。」
ミヤビ…本当にいつでも優しいね
生きてるのが嫌になったっておかしくない様な事を沢山味わってきたはずなのに
凄いと思うよ、そうやって人に優しくなれるの。
「…ありがとう。」
微笑んだら満足そうにニッコリ笑ってくれる
良かった…
またそうやって笑ってくれて。
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