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結果として戦も圧勝だった。しかし、最早そんなことはレグルスにとってどうでもよかった。今や彼の頭の中は先程のレガリアの事で一杯である。レガリアは、王に相応しい者にしか渡らない。つまり、レガリアを手にしたということは・・・・・。
(天が私を、王に相応しいと選んだ・・・・・)
そう言う捉え方をせざるを得ない。しかし、今の自分には力などない。ただの一兵卒である以上、この国を支配する帝に近づくことさえ出来ない。
この国を変えることは出来ない。ならば、自分でも出来そうなことは一つ。
「新しい国を作らねば・・・・」
妙な感じだ。まるでレガリアが自分にそうせよと告げてくるかのように口からその言葉が出た。己の使命、生きる意味とは、まさにここにあったのではないか。そう考え始めると、もうそれ以外に何も考えられなくなった。そして彼は気付けば行動に出ていた。
彼がまずやってきたのはセラの所だ。この国において今自分が最も信頼する人物だからだろう。
「セラ・・・」
レグルスはセラの屋敷へやってきて中を覗く。壁にところどころ穴が空いており、屋敷の周りには無造作に草花が生い茂っている町外れの閑静な場所。相変わらず見窄らしい見た目をした屋敷だ。
「おや、珍しいな。君から来るなんて・・・」
セラは彼の姿を確認すると目を丸くした。それもそうだろう。十年来の付き合いでありながらこんなことは初めてなのだから。
「悪いな、急に・・・」
「いや、寧ろ嬉しいよ。さあ、入ってくれ」
セラはレグルスを中へ案内し、木製の小さな椅子にギシ、と音を立てて座る。
「それで?今日は何の用だい?」
向かい合って座ると、セラは話を切り出した。
「実は、お前に協力してほしいことがあるんだ」
重い口を開いてポツポツと、レグルスは先程の戦であった一部始終を話し始めた。
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