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継
彼女が死んだ。
眠っている間に衰弱死したと聞かされた。
毎日、大量の睡眠導入剤を服用していたらしいが、睡眠時に衰弱死とはどういうことなのか。
そんな事を考えながら、俺は布団に入った。
なんだか、異様に眠い。
いや、彼女が死んでしまった現実から逃れたくて、眠りたいのかもしれない。
そして、夢を見た。
死んだ彼女が、一糸まとわぬ姿で微笑んでいた。
「お前…なん…」
「インキュバスに生気を奪われちゃったみたい。でも、悪くない最後だったわ」
言いながら、彼女が俺の首に腕を回してきた。
甘い匂いがする。
「今度はね、私がサキュバスになるの」
唇を塞がれ、俺は目を閉じた。
そうだな、こんな最後なら、悪くない───。
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