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「はい。何なりと」
ウリエルは真っ直ぐに紫の瞳を見つめ返す。しばし沈黙が辺りを包みこんだ。
ルシフェルはやや間を置き、やがて
「ウリエル、そなたは人間についてどう感じる?」
と問いかけた。瞬間絶句するウリエル……。
彼はどう答えて良いのか迷った。迷いながらも、必死でこたえを探そうと頭の中でセリフを考える。ルシフェルも、そんなウリエルを急かさず、ただただ穏やかに見守っていた。
しばらくしてウリエルは、慎重に言葉を一語一語選びながら答えを話し始めた。
「人間達は、益々傲慢になってきています。地球に住むもの達の一員に過ぎないのに、自然をも操作・支配しようとしています。また、人間同士の争いも多くなり、実に醜くて愚かだと感じます」
全く無表情のままルシフェルは更に問いかける。
「ほう? では何故人間は争うのだと感じる?」
と問いかけた。再び言葉に詰まるウリエル。必死にこたえを探す。意を決したように、
「人間達が争う原因は、本来は優劣など存在しないのにも関わらず、格付けをしようとするからです」
と答えた。それを聞いた途端、失望の色を露わにするルシフェル。
「ウリエル、私はそなたがどう感じるか?を聞いたのだぞ?」
と冷たく問いかけた。
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