第三話 それぞれの思惑

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そしてソファに座るよう促す。 「今、お茶を入れますね」  と言うと、ラファエルはその場を離れようとした。すかさずルシフェルは、 「構うな、私が勝手に来たのだから」  と引き留める。そんな彼に穏やかに微笑み、 「ちょうど休憩をしようとしていたところです。それに、何かお話があっていらっしゃったのでしょう?」  と、まるで悪戯っ子のように言った。ルシフェルはつられてつい笑いながら、 「そなたには敵わぬな」  と肩をすくめ、ラファエルの後ろ姿を見送った。樹木の温もりを感じる部屋だ。こじんまりとしてるが、小ざっぱりとしている。ソファー深く腰をおろし、部屋の主が戻るまでしばし寛いだ。  爽やかな風が窓から吹き込む。柔らかな日差しが部屋に差し込み、外では鳥が歌っている。ルシフェルは琥珀色に透き通る液体を見つめながら、ふと、ゼウスに想いを馳せた。  そして、ゆっくりと琥珀の液体を味わう。 「落ち着くな……。やはり、ソナタの入れるハーブティは絶品だな」  しみじみとルシフェルは言った。 「恐れ入ります」  ラファエルは軽く頭を下げ、同じように琥珀色の液体を飲んだ。しばらく、二人は、その穏やかな空間を味わう。
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