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「ルシフェル様! 何のおつもりです!」
とゼウスを目がけて振り下ろされたルシフェルの剣を、しっかり自分の剣で受け止めながら叫ぶガブリエル。
……だが、ルシフェルの悲しげな表情と、端からゼウスを狙うつもりなどない太刀筋。ガブリエルはハッと一瞬にして気付く。
「ルシフェル様、あなたまさか……?」
と問いかけた。そんなガブリエルに哀しげに微笑み、いつもの自分の定位置にある玉座の右下に存在する、天界の緊急事態発生時に鳴らす唯一のブザーを押す。鳴り響く非常ベル。
ミカエルは一瞬何が起こったのか理解できなかった。だがすぐに全てを理解し、腰の剣を抜く。炎のオーラでその身を防御しながら
「ルシフェル! 貴様許さん!!」
と叫びルシフェルに攻撃をしかけた。
その剣を受け止めながら、ルシフェルも白いオーラで身を防御する。
「面白い。少しは腕を上げたようだな、ミカエル」
と、かすかに嬉しそうに微笑む。
その瞬間からゼウスから離れたその真上で、二人の激しい戦いが繰り広げられた。
それを合図に、ウリエルは
「ガブリエル! ゼウス様を頼む!」
と声をかける。それを受けガブリエルは
「承知した!」
と答え、両手をゼウスに掲げ、クリアマゼンタのオーラでゼウスを包み込んだ。ウリエルはそれを見届けるやいなやすぐに
「ラファエル、最高にして最速・最強のヒーリングが施せるように気を高めておいてくれ」
と声をかけた。
「やはり、そうなのですね……。了解致しました」
と、応えるも、そのエメラルドを思わせる瞳には涙が滲んでいた。
ウリエルは目を閉じ、両手で印のようなものを結びそして目を見開く。右手を上に左手は地に翳すと
「我が名ウリエルの名の下、ゼウス、ルシフェル、ミカエル、ガブリエル、ラファエルの5名を汝の内側にて保護せよ!」
と唱える。すると、ゴールドの光があたり一面に広がり、正十二面体のゴールドの結界の内側に5人が居るかたちとなった。
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