第六話 Light and darkness ~光と闇を見つめて~ 

7/11

16人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ
バサリ!    銀色の美しい羽が一面に舞い狂う。 「み、見事だ、ミカエル……」  と、ルシフェルはミカエルに満足そうに微笑んだ。 「な、……ルシフェル。貴様わざと……」  あまりの衝撃にそう言うのが精いっぱいだった。そして彼の目の前にルシフェルの鮮血が飛び……。  ミカエルはそこで意識を失った。 全てを下で見守っていたガブリエルは、ミカエルが意識を失うと同時にクリアマゼンタのオーラでミカエルを保護しようと手を翳す。だが、それより早くゼウスは右手でミカエルに向けてクリアパープルのオーラで保護し、自らの手元にミカエルを引き寄せた。ゼウスの元に来ると、ガブリエルはすぐにミカエルに膝枕をし、彼の様子を見守った。  一方、ルシフェルは意識を失う寸前に、瞬間移動したウリエルにしっかりと抱き留められる。同じくルシフェルの後ろに瞬間移動したラファエルは、ルシフェルの背に向けて両手を翳し、パステルパールグリーンのオーラで素早く傷口を癒やす。ウリエルはルシフェルを支えつつ、あたり一面に舞う銀の羽と切られた二枚の翼を、右手を翳しゴールドのオーラで一つに集め、保護した。そしてラファエルと共にゼウスの元へと降りていく。  すぐに回復したルシフェルは、ウリエルに支えられながらもしっかりと立ち上がった。 そしてウリエルに 「礼を言うぞ、ウリエル。手間かけたな。ところでこの二重結界はいつまで持つ?」  と問いかけた。ウリエルは頭を下げ、 「勿体ないお言葉。恐れ入ります。結界ですが時間制限はございません。ですが、軍神アレース様があまり待たれるのは……」  と答えた。 「なるほど、あまり時間はないのだな。……この寝坊助め」  とガブリエルの膝の上で気を失ったままのミカエルに、愛情を込めた眼差しを向けた。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加