第六話 Light and darkness ~光と闇を見つめて~ 

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 そしてゼウスの傍らまで行き跪く。 「すまなかったな、ルシフェル。最後まで何もしてやれなかった」  と哀しげにゼウスは言った。 「これは私が言い出した事ですから。それに、私は天界より冥界の方が性にあっているようです」  と答えた。次に、ガブリエルに体を向ける。 「今回ばかりは、直前まであなたに騙されましたよ。敵を欺くにはまず味方から、と言うやつですか? 一体いつから考えてらしたのです? 用意周到にミカエル様や私に不信感を抱かせ、ハデス様に迄手配していらしたとは……」  とガブリエルは問いかけた。 「そう悪く思うな、あやつに悟られないようにするにはそれしかなかったのだ。あやつは、純粋で穢れの無い、光の存在そのものでなくてはならんからな」  と、ミカエルを見つめながら答えた。 「私は、あなたの事があまり好きではありませんでしたが、今回の件は脱帽です」  とハッキリ言い切るガブリエル。 「相変わらずストレートな物言いだな、まぁ、それがそなたの魅力の一つでもあるがな。ゼウス様とミカエルの事、任せたぞ!」  ルシフェルは苦笑しながらもそう言った。 「承知致しました」  ガブリエルは頭を下げつつ答えた。ルシフェルは次にラファエルに向き合う。ラファエルが口を開く前に 「ラファエル、私はそなた達を全面的に信頼しているからこそ、天界を任せて行けるのだ。たまに過ごすそなたとの時間は、何より至福の癒やしの時間であった。礼を言う」  と声をかけた。ラファエルは、涙を滲ませながら、 「なんて勿体ないお言葉……。有難うございます。ルシフェル様、私は月の女神ディアナ様に許可を頂き、新月・満月の月に2回、冥界に向かってヒーリングをさせていただきます。敏感な人間には少々心身共に辛くなる事もありますが、新月・満月は不安定になりやすい時期だ、とヘルメスに情報を流させます」  と必死にルシフェルに語りかける。 「そうか。それは楽しみだな」  ルシフェルは微笑んだ。
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