【R18】ハドナの闇

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 結局この日、ミックはウォルシュが預かると言う。ウォルシュが夜勤で、ミックをそのまま自警団詰め所に寝泊まりさせるそうだ。ある意味目が多いぶん、安心だろう。  それでも気持ちは晴れない。せっかくの旅行なのに、水を差されてしまった。  外で夕食を食べて、宿に戻ってきてもどこか憂いが残るままだ。 「ランバート」  不意に名を呼ばれ、ランバートは顔を上げる。困ったように苦笑したファウストが近づいてきて、そっと頬に触れた。 「随分と大人しかったな」 「え?」 「日中の」 「あぁ……」  言えば困らせるだろう。何より誓ったばかりだ。一人でカッカして飛び出してはいけない。この人の負担になりたくない。心配をさせたくない。  だが、温かな手が甘やかす様に動くのに気が緩む。せっかく硬くした心が蕩けていく。 「確かに俺は、単独で動くなとは言った。だが、必要な時に動けないようなら動いていい」 「え?」 「あの少年を助けたいんだろ?」  困ったような苦笑が見下ろしてくる。バレている。でも、躊躇ってしまう。 「旅行に来てるのに、仕事しちゃ何の為の休暇か分からないし。それに、騎士団の仕事じゃ……」 「ランバート」     
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