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「なんかそれ、子供の言いつけみたいだ」
「それが出来なかったから叱られたんだ。あと、無理そうなら手を引け」
「んっ、分かってる」
そうだ、この線引きだ。無理を通そうとしないこと。ダメなら周囲に助けを求める事。それが大事だ。
スッキリと笑うランバートに、ファウストも微笑みキスをする。唇を吸われ、舌を絡められる熱いものだ。背にゾクゾクとした気持ちよさが走る。自然と息が上がる。
「ファウスト」
「ん?」
「今だけ、深く欲しい」
グチャグチャに乱れるようなセックスは、最近していなかった。スノーネルの一件ではとても優しかったし、その後もわりと穏やかなものだった。
でも今だけは、たっぷりと愛されたい気持ちだった。求められたくて、求められる自分を想像するだけで腰に響いた。
黒い瞳が濡れる。穏やかな男の顔に欲望が浮かぶ。この人も大概、自分を押し込んでいる。だから時々爆発するんだ。
「腰が立たなくなるぞ」
「んっ、それでもいいよ。それに最近、ファウストの大きさ慣れてきたし」
緩んだ訳じゃないけれど、体がファウストを覚えている。与えられるものを覚えているから、従順に体を開いていくんだ。
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