少年は夢を見る

1/11

370人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ

少年は夢を見る

 翌朝、時計は九時を回っていた。 「腰いてぇ……」  流石に腰が重怠く、激しく攻められた部分に違和感があった。だが、久々に満たされている。知らぬ間に枯渇していたのかもしれない。  結局二度ほど達し、落ちた。気づいたのが今だ。  過去にはもっととんでもない事もしただろうに、その時はまったくもって平気だった。それなのに、ファウストが相手だと三度目まで色々ともたない。  それでも今日はやりたい事が…今日でなければならない事がある。九時ならまだ平気だ。  起き上がって汗を拭って着替えていると、きっちりと着替えたファウストが食事を持って部屋に入ってきた。 「起きたのか」 「んっ、おはよう」 「あぁ、おはよう。平気か?」 「まぁ、なんとかね」  苦笑して言えば、申し訳なさそうに笑うファウストが食事のトレーをテーブルに置く。そして、互いに当然のようにキスをした。 「今日はどうする?」 「ミックだっけ。あの子にまず会いに行きたい」 「自警団詰め所だな。俺もあの後が気になっているから、行くつもりだ」  とりあえずは一緒にいられる。それに安堵すると同時に、デートはしたいと欲張りに思う。いい方法を考えなければ。  何にしても腹ごしらえ。温かなスープとサラダと焼きたてのパンを食べ、ランバートとファウストは自警団詰め所へと向かった。
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

370人が本棚に入れています
本棚に追加