少年は夢を見る

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 色がついた状態で、これが見たかった。ランバートは素直にそう思ってしまった。 「よし、出してこよう。それが終わったら、美術館前の広場で面白い事をしないか?」 「面白い事?」 「似顔絵を描くんだよ。銅貨一枚で」 「え!」  ミックは驚いたように目を丸くした。けれどこれも狙いがある。ミックの絵を多くの人に知らせるため。今はロナードの絵として知られてしまったミックの絵が、実は違うのだと証明するにはその場で描かせるしかない。だからその場で似顔絵を描き、人々に広く知らせるんだ。 「大丈夫、昨日みたいに怖い人なんて来ないよ。俺とファウストがいるんだから」  隣を見れば穏やかに笑うファウストも頷いている。それを見て、ミックも少し恥ずかしそうにしながらも頷いた。
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