5人が本棚に入れています
本棚に追加
「デミ、お前その顔の傷どうしたんだ!?」
「ちょっと転んで、」
みそりは察した。
馬鹿な!転んだ程度でそんな傷が付く筈が無い。
何があったかは明白。
体育の時間の着替え中に見た体の至るところに付いた痣が物語っていた。
「あたしは、自分の事はマジでどうでも良い。んなダリぃ事は死ぬほどどーでもいいんだ…けどよみつぐ、お前の事だけは死んでも守るって決めてんだ。
話してくれ!」
「みそり、ありがとう。でも大丈夫だから。」
みつぐは痛みに堪えて微笑む。
志沼出巳告は葛野王司を庇っている。
その事実が一層実反を傷つけた。
「お前、あたしに嘘吐く時他人行儀になる癖直ってねぇな。
そうじゃねぇ。
あたしが見たいのはお前のそんな顔じゃねぇ!」
身を引き裂かれる様な、
辻斬りに半身を真っ二つに斬られる様な痛みを感じながらみそりは校舎から駆け出した。
最初のコメントを投稿しよう!