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「あ"ー…」
しきりに剃刀を研いでいたみそりの手がぴたりと止まる。
落語なんぞは古臭く格式張った難解な遺物と思われる向きが非常に強く、特に若者からは敬遠 されがちだ。
しかし、それは飛んだ誤解である。落語は本来洒落や冗談の寄せ集まった自由気ままな笑いの世界である。
察仁亭皆楽は江戸期に成立した古典落語も語るし、明治以降の新作落語も語る。
と言うか自ら噺を創作し舞台で演じている。
今作の大全集はディスクが二枚組になっており、ディスク1は古典。ディスク2は新作という構成でお年寄りから子供まで楽しめる仕様になっている。
みそりが今聴いている噺は
『熊追い』と言う演目で、山に迷い込んだ少女が熊に追われ、落とし物の耳飾りを手渡されるシナリオだ。
って言うか完全に森のクマさんである。
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