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いぞうの同期、田中はいぞうと同い年の40歳。いぞうは開発部門だが、田中は営業部門である。33歳の妻と、小学2年生の息子がいる。これまでは賃貸のマンションに住んでいたが、この度、立派な一戸建てを購入した。
この新居にいぞうが招待され、今日、お邪魔しにきたという流れである。
「奥さん、本当に、広くてキレイで素晴らしいお宅ですね。あ、これ、つまらないものですが」
そう言って手土産の日本酒を渡すいぞう。
「え?そんなのよかったのに。気を使わせてしまってすみません。でも、ありがとうございます。」
「田中も奥さまも日本酒がお好きということで、灘の地酒をお持ちしました。」
「すまんな。気を使わせて。美味しくいただくよ。もう一つ持っているその大きな袋に入った箱みたいなものは?」
「これはゆうとくんへのおみやげなんだ、後で渡すよ。」
ゆうととは、田中の小学2年生の息子である。
「そうか。ありがとう。今日は初めて人を招待するんで、同期で仲の良い池手名、池田、黒田の三人にきてほしくてな。同じ同期でも、営業の連中だとどうしても仕事の話になるからな。」
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