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「さて、どうしようかな」
行ってみたい場所があるというのは、嘘ではない。
嘘ではないんだけれど……。
「どこにあるか……わからないんだよね」
小さい頃の記憶を辿ってみても、どうやってそこに行ったのか全く思い出せない。
ただ覚えているのはたくさんの向日葵と……そして、連れて行ってくれたあの子の手があたたかかったことだけで……。
「とにかく探すしかないよね」
幸いと言っていいのか、まだまだ滞在日数はたっぷりある。ひたすらに探せばその内見つかるだろう。
そう思って私は、思い出の場所探しを始めた。
始めたのだけれども……一週間が経っても私はその場所を見つけられないでいた。
子どもの足で行ける範囲だから、そう遠くはないだろう――そう思って歩いて行ける場所を探し歩いていたのだけれども、いくら探しても見つからない。手がかりすら見つからない。
「なんでないの……」
思い出の場所、なんて言っても普段生活している中でずっと気になっていた、という訳でもない。ただ、なんとなくもう一度――あの場所に行ってみたいと、そう思ってしまった。それだけなんだけど……。
「でも……見つからないとなると、余計に見つけたくなるのよね」
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