いつかの向日葵をもう一度

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 バスを降りると、私は電波が1本しか立っていないスマホを握りしめながら辺りを見回した。  目に入るのは小さな停留所と……民家なんて一つも見えない、どこまでも続く砂利だけだった。 「ここだよね……?」  ブツブツと文句を言いながら、私は歩き続けた。  ――かつて父と呼んでいた人の姿を思い出しながら。
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