いつかの向日葵をもう一度

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 母から、おばあちゃんのお葬式に言ってきなさいと言われたのは二日前のことだった。 「おばあちゃん亡くなっちゃったの!?」  いつも優しかった祖母のことを思い出して泣きそうになっていると、そうじゃないの。と、母は言った。 「――お父さんの方の、おばあちゃんよ」 「……え?」  言われた内容がいまいち理解できずにいると、母は小さくため息をついた。 「別れたあなたの父親から連絡があったの。おばあちゃんが亡くなったって。あなたに会いたがっていたからお葬式に来てほしいそうよ」 「そう、なの……」 「それで……申し訳ないんだけど、もうすぐ夏休みだし明後日から夏休みが終わるまで向こうで過ごしてくれない?」 「は!? どういうこと!?」  唐突な母の提案に、私は思わず大きな声を出した。 「それがね、お母さん急な出張で海外に行くことになっちゃったの。ひらりも連れて行こうかと思ってたんだけど、あなたパスポートないでしょ?」 「う……」 「それなら、あの人のところで過ごしたらどうかと思って」  名案じゃない? そう言う母を思わず睨みつけてしまう。 「名案なわけないじゃない! いつぶりだと思ってんの!? 八年だよ、八年!! 今更一緒に過ごせって言われても!」 「それは、ほら――昼間はあの人も仕事に行ってるから朝と夜だけだし、それに一応あなたの父親だし……」 「でも……!」 「ごめん! でも、もう決まっちゃったのよー。だから、明後日から一ヶ月、よろしくね」  そう言って笑うお母さんには、誰も勝てない……。今までの生活でそれを知っている私は諦めて頷くしかなかった……。
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