いつかの向日葵をもう一度

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「あんたがさっさと来ないから、俺がわざわざ迎えに来る羽目になったんだぞ」 「そんなこと言われても……」  こんなに遠いなんて聞いてなかったし、そもそも知らない男の子に迎えを頼むぐらいなら本人が迎えにくればいいのに……。 「めんどくせー……」  不満そうな私の表情に気が付いたのか、彼は小さく呟くと貸せよと手を差し出した。 「荷物入れるから。んで、後ろに乗れ」 「い、いいよ。別に歩いて行けるし」  なんとなく意地を張ってしまった私を鼻で笑うと、彼は荷物を奪い取った。 「あんたの足だと日が暮れても着かないけどいいのか? この辺は夜になると熊が――」 「乗ります! 乗せてください!」 「最初からそう言えよな」  そう言うと、彼はふっと笑った。 「っ……」  その表情に何故か一瞬、胸が苦しくなった気がした。けれど……。 「あー……お前、重すぎない?」 「失礼な!!」  自転車の荷台に乗った瞬間言い放たれた彼の一言に、さっきのあれは勘違いだと自分に言い聞かせると、大きく息を吐き出した。  そんな私をしり目に、彼は勢いよく自転車をこぎ始めた。
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