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大崩壊の後の世界
「・・・さん!」
「ユミさん!ちょっと待ってちょ!」
「!」
私は振り向くのね、オーバーにわざとらしくスマイル。
「あら?」
下校の初めの一歩、校門の外の階段を降りるの。このクソ長い白い石の階段は細くて急で入り組んでて。足を踏み外したら、あの世行きねきっと。周りは赤色と青色の屋根だらけ。海岸の岸壁に民家が密集。
ぐっと黒のローファー革靴(お高いのよ?)を踏ん張る。
後ろの階段上部には、いつもの子ザルが居る。
「ユミさん!何でいつも給食袋を置いてくんですかっ?」
「!」
「サダコさん!恥ずかしいから大声出さないでよ!」
「まるで私が給食が嫌いな女子だと思われるじゃないの!」
「・・・え、給食好きなの?」
ばしゅん!
「もがもがもがっ!」
来た道を引き返す。子ザルの口を封印する私。
「あなた何考えてるのよ!」
そうなのですよ。この上に鎮座する学校には給食があるの。給食制度と呼ぶのだそうですよ。
「うんうん!」
「おわかり?サダコさん」
「んんんん!」
ばっ!
「ひいぃひぃ・・・」
今のタイミングの制服は春服のブレザー、赤と白と黒の。
白いワイシャツに緑ネクタイ。
はっきり言ってお嬢様ですね。
・・・でもユミは貧乏なの。
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