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『時雨さんですか!?今すぐ八王子にある鈴木病院に来て貰えませんか!?』
焦った様な声が、スマートフォンの向こうから聞こえた。-この男性にしては高い声は、真琴の部下である如月新一君だ。何回か家にご飯を食べに来た時の優しげな笑顔がとても印象深く残っている。
「新一君、如何したの?ゆっくりで良いから話してくれない?」
心配の感情を声色に混ぜながら尋ねると、彼は少し躊躇いがちに、その言葉を口にした。
『ー真琴先輩が、交通事故にあったんです・・・』
躊躇いと共に呟かれたその言葉に、俺はただ絶望するしかなかった。
*
久しぶりに、俺はガラパゴス携帯のその電話番号に電話した。-もう、この人しか頼れなかった。
『はい・・・椎名、です』
その人物はか細い声と共に一コール目で出てくれた。
「・・・爽、久しぶり」
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