満月の夜に 城side

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「ねえ、君をどこまで送っていけばいい? 家はどこなの?」 結局、彼女を抱えてまた新宿方面まで歩いてきた。 彼女は俺を和成という男と勘違いしているのか、ずっと泣いたり叫んだりその男を思い涙を流している。 彼女の話で大体の経緯が分かった。 こんなにぐでんぐでんに酔っ払っている彼女を責める気にもなれない。 どうやら四年間つき合った結婚まで約束した男に、最近、捨てられたらしい。 そして、四月から東京に赴任した彼氏に会いに、東京へ来た?らしい。 「…新宿駅の裏通りにあるスマイリーホテルに泊まってるって何度も言ってるじゃん」 彼女はそう言って、また俺の腰をつねった。 でも、酔っ払って力が入らない彼女のつねりは、今ではなんだか気持ちいい。 ああ、もう、俺は、きっと末期に突入している… は? また、裏通り…? スマイリーホテルって、こんな状況な彼女には酷な名前だな… 俺は、スマホでそのホテルの地図を確認して、そこに向かって歩き出した。 次は、酔っ払ってない彼女を見てみたい。 でもこんな状態の彼女にここまで発情しているのに、まともな彼女を見たら、俺は一体どうなってしまうのだろう。 そんな事を思いながら、彼女の腰を引き寄せて歩き続けた。 スマイリーホテル新宿 やっと、見つけた…
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