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「ま、俺達は昔からの付き合いだから、お前のその特殊な性格は知ってるけどさ…
今の会社でも、色々なあだ名をつけられてるんだろ?」
もうすでに二人は笑っている。
「学生の時のあだ名は、まだ可愛かったよな。
城はイケメンだから、そんなへんちくりんなあだ名はなかったけど…
例えば、冷徹王子とか、能面王子とか、まだ王子がついてたけど、けど?」
太一も陽介も、どうしても俺の今のあだ名を俺の口から言わせたいらしい。
「今の会社では…
ロボット室長とか、仮面の下もまた仮面とか、こけしの上をいく無表情とかかな」
二人は爆笑している。
「こけしって…
城、こけしに勝ったらヤバいぞ…」
これも毎回のルーティンだ。
こけしのくだりで大爆笑するこの単純な二人は、本当に幸せ者だと思う。
俺は毎回このくだりに付き合うが、一度も面白いと思った事はない。
二軒目のショットバーでまたひらすら酒を飲み、やっとこの会合が終宴を迎えた。
「あ、そうだ、もう一軒つき合ってほしい場所があるんだ」
半分酔っ払った太一がそう言いだした。
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