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この世界には四つの大陸があり。その一つ、エナスケア大陸には人間とエルフが住んでおる。
エルフは我と遭うても動揺もあまりなく、なんともつまらぬ。
そんな折り、我が晴れた空を悠々と飛んでおると、草原に人間の姿を捉えた。それはなんとも珍しいものに乗っておったのだ。
カルクカンと呼ばれる生き物なのだが。外見は爬虫類のそれに似通っておる。しかし、かつては空を羽ばたいていた微々たる名残があり、頭は亀のごとき羽毛のない大きな鳥ともとれる。
生息している地域はわずかだが、慣らせば優秀な馬にも引けを取らない足の速さを持つ。主人には忠実で耐久力も高い。情に厚い生き物だ。
我はその人間に興味を持ち、颯爽と眼前に舞い降りてみた。さぞかし驚くだろうと心躍らせていたけれども、しかしどうだ。
我と出会い、これほどまでに冷静であった者がいただろうか。人間はおろか、カルクカンでさえも我の姿に動じることもなく眼前に居座っておる。
そして、なんと見目麗しい男なのかと、我はしばらく何もかもを忘れて見つめてしもうた。
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