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あの日(8月2日)
その日、君からのメールがとどいたことを知らせる着信音でぼくは目覚めた。
珍しいな、僕は一人でそうつぶやいた。
君は、文面で物事を伝えるのは苦手だと僕に伝えていたから、なにか話があるとするなら電話がかかってくると思っていたからだ。
寝起きでけだるい体をゆっくりと動かしながら、携帯までたどり着く。
あれから、一日が過ぎたね!
のんきに
ねている君のこと
だから
いま、私が送ったメールに驚いているのかな?
すてきな一日をはやく始めたい!だから、
きみの家に9時に迎えにいくね!
いやに改行されたメールと、やけに興奮している彼女のメールに少し戸惑いを隠せない僕だったが、そんなことよりも君があと30分で、僕の家に着くということに焦っている。
携帯を置いて、ぼくは寝間着から服に着替え、身支度を始める。
今ほど、料理を作ってくれる両親が、今日に限って二人ともいないことを恨んだことはない。
急いで身支度を済ませ、家を出る。
そこには肩にに荷物をかけて、すこし頬を赤らめてる君がいた。
「メール見てくれたんだね。」
いつもの落ち着いた顔からは、少し考えられないような照れた表情の彼女に
「うん。急いで準備したよ。」
そう答えた僕の顔を、頬を膨らませて彼女は言う
「そんなことじゃなくて。」
珍しく感情の起伏が大きい彼女に僕は戸惑う。
「もういいよ。早くでかけようよ。」
ふてくされた彼女は、僕の腕を乱暴につかみ歩き出す。
僕はそんな彼女を見てクスリと笑い、歩き出す。
さて、どこに行こう。
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