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「……あ、待っ……て、ああっ」
帰りつくなり玄関先できつく抱き締められ、舌と顎と唇と。すべて使ってすべて味わうようなキスをされたら、気が遠くなるようで少し怖い。
「待てない。ステージから日向が見えた瞬間、スーパーマグナムが暴発しそうだったんだからな」
「また、わけわかんないこと……」
「わかんなくねぇよ。ここに齧りつきたかった」
「……っあ」
襟元を広げられ露わになった首筋を強く吸われると、痺れるような快感が背中を走った。
「あ、跡がついたらティーシャツ、とか着られなく、なるから」
「うん、ごめんな」
「……確信犯」
ふふ、と笑った逸也の手が、開いた襟から滑るように胸元へと侵入してくる。すでに期待で膨らんでいた淡い突起を摘ままれて出た声に、逸也のスイッチは完全に押されてしまったらしい。つるんと剥かれた左肩から鎖骨のラインを、唇が音を立てながらなぞっていく。ここ、玄関なのに。
「んっ」
扉一枚隔てた先は外だという状況が、おかしな興奮を誘うから困る。あかねが見立ててくれた逸也の浴衣と同じ濃紺の帯の下で、完全に上向いた日向がピクンと揺れた。
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