眠る

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「ただいま……」 誰もいない部屋だが、こればかりは止められない。実家に居た癖なのか……それとも両親の教育のたまものなのかはわからないが、誰も居なくても「ただいま」と「いただきます」「ごちそうさま」は無意識に出てしまう。 残業続きの自分の部屋にあるものといえば、飲み終わったビールの空き缶とコンビニ弁当の残骸……あとはテレビとPC、それと布団…… 「つっかれ‥‥…た……」 万年床の布団に倒れこむ。 いささか湿っぽい布団だが、それでも今の俺にはありがたい…… 自分の体重を受け止めてくれる布団……着替えもしていないが……今日はもう、このまま寝てしまおう…… どんな夢を見るのか……それとも見ないのか…… 月末、納期に追われ出し尽くした俺には関係ない…… ただ…… 楽しい夢を見たいと思う……また来月頑張れるように…… そうして俺は目を閉じた……
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