彼女ができた!

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彼女ができた!

 彼女ができた。 ちょっと何言ってるか分からないかも知れないが、 今起こったことをありのままに話すと、 僕に彼女ができた。 まさか、と思うだろう? 僕も思う。 でも残念、これは現実だ。 僕に彼女ができた。 はい、この話はここでおしまい。 人生はゴールです。お疲れ様でした、僕。  初めてこのブログを読みに来た人 ―君はもしかしたら過去からやって来たのかも知れないし、 遥か未来からやって来たのかも知れない―に向けて簡単に ―僕の知る限りの―この時代について説明しておこうと思う。 時は二十一世紀も半ばを過ぎて、西暦で言うと二〇七三年九月十八日。 今やリアルショップは殆ど姿を消し、 カフェや理容室などの少数の業態が僅かに形を残すばかりとなった。 料理から日用品、娯楽製品に至るまであらゆる製品は工場で生産されるや否や、 必要量がネットのアカウントを通じて直接各家庭に届けられるようになった。 勿論、何を購入するかは個人の意志に委ねられる。 一人一人が出生と同時に与えられるそのアカウントには、 個人の人生史のすべてが刻まれている。 その人が生きる為に何を必要とし、何を必要としないかのすべてが、 そのアカウントを覗けば一目瞭然なのだ。     
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