蒼い服を着た神さま

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  いつもの柊。ワガママで自分勝手で自己肯定感が高くて、俺を振り回しても泣けば済むと思ってる、いつも通りの柊だ。 「ご飯中はパソコン見ないの」 「ん──」 「行儀悪いっ。それに休暇中!」 「ん──」 そういえばハロルド、ロジャーの息子さん。森さんによると、昨日の順位は2位。予選は通過できても本戦を勝ち抜くのはまず無理らしい。 「まぁしょーがないかな。ビッグエアーってか、スノボ競技は始めてまだ2ヶ月とか言ってたし」 「は?2ヶ月で1440メイクしたって事!?」 「素地はあったんじゃない?ホビーとしては小さい頃からロジャーと一緒に滑ってたみたいだし不思議じゃないかも」 「それでもスゲー」 「でも逆回転は全然なんだってさ。正回転ならサーフィンと同じ感覚でイケるらしい」 サーフィン。波乗り。その感覚?山育ちには余りに縁遠くて想像できないけど、やってる本人が言うならそうなんだろう。 「何にしたって、タイチがこの先戦っていくのはハリーの世代になる。日本でもプロデビューがどんどん低年齢化してるし代表選手も十代ばっかり」 「俺もジジィか……」 「ハタチでジジィなら俺はどーなる」 「ラスボス。水戸黄門的な」 「本物のジーさんじゃねーかっ」 いや。そのポジションならビジュアル的にセフィロスが相応しい。でもセフィロス弱いからなー。散々盛り上げて引っ張って、あっさり倒せるような相手じゃない、柊は。
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