蒼い服を着た神さま

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  柊と2人だけで歩くロウアータウン。 前よりくっきり、ずっとはっきり鮮明だ。石造りの坂の街。窓辺にはクリスマスの装飾、そこここにモミの木。 「EXTREMESが終わったらウィンターカーニバル見に来ようなー」 「ウィンターカーニバル」 「世界三大雪祭り。パレード、雪像、犬ぞりレース、あと、アレ、ボノムが練り歩いてる」 柊の指差す窓辺に、スノーマンぽいけどなんか違う、赤い帽子を被ったゆるキャラみたいな人形が飾ってある。 「今、可愛くねーって思っただろ」 「……………」 「それカーニバル中は思っても言うなよ?絶対な?俺は忠告したからな?」 「なんだよ意味深に」 「HAHAHA!」 「うわムカつく」 雪景色に一際映える黒いコート。淡い茶色の髪。何をどうやっても素敵過ぎる。動悸がするほどカッコいい、柊は俺だけの(もの)。手を繋ぎたいけど、やっぱり我慢。 「寒い?」 「全然平気」 プチ・シャンプラン通りを柊の少し後ろについて歩く。そのうち柊が歩調を緩めて寄り添い、指を絡ませてきた。 「外なのにいいの……」 「ちょっとだけ」
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