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俺の知る限り、JIBの曲って歌詞の四分の三以上、もしくはフルで英語なのに。それで全然支障なかったのに。ご丁寧に手書きの訳詞まで添えてある。ホントは有り難いのかも知れないけど、とにかく恥ずかしくて目が滑る。共感する暇がない。
「直訳だとビミョーにニュアンス変わっちゃうから、太一くんには特別に僕の自筆、オリジナルの歌詞あげる~~☆」
「自筆………」
「うん!自筆~☆」
西川さん、日本語書くの苦手なんだな。所どころ解読するのが大変だ。
ただ、ヘッドホンから聴こえるメロディーが、声が演奏が、なんかスゲー。まじでホントにすげー。心臓を直に掴まれて揺さぶられるみたい。どんどん、本当に空へ飛んで行けそうなほど引っ張られる。何なんだこの感覚。そして音が一瞬ブレイクした後の、サビが来たところでブワッと鳥肌が立った。本当に髪が逆立つんじゃないかってくらいブワッと。
うわ ─────。
ぞわぞわしてるっ。俺、めっちゃぞわぞわしてるっっ。
「西川さん……天才……」
「褒められた☆嬉し~~っ☆」
右腕に絡みつかれて肩を頭でグリグリされる。照れてるのか。可愛らしい、てゆーか微笑ましい人だ。
「ねぇ太一くん」
「はい」
「あの輝き続けてる人、飛ぶみたい」
「え!」
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