一章 休もうか

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高校の体育祭があった日俊太と純哉はいつも通り2人で一緒に帰っていた。 「なぁ、俺体育祭で活躍したから疲れたわ。ちょっとそこのベンチで休んで行かん?」 純哉は、今日の体育祭で、3種目に出場していてそのうち百足競争で1位を取り、ボール回しとリレーでは、3位を取っていた。全部団体競技じゃないかと言う気持ちをグッと堪えて 「まぁ、結構頑張ってたみたいやしそこのベンチに座って休むか。」 と言って、2人はベンチに腰をかけた。ベンチは冷たくて少し気持ちが良かった。 「なんか眠くなってきたわ。そう言えば人ってなんで寝るんかな」 「急にそんな生物とは何か?みたいな事聞いてきてどしたんじゃ?」 純太はそう言ってふと横を向くと、純哉は眠たそうな顔をして、 「最近睡眠時間が勿体無い気がしてきてな。その時間で、もっとゲームとかしたくなってきてその衝動が強くなったんよ。」 と呟いた。彼の目はとても真っ直ぐで澄んだ目をしていた。少しの間風の音だけが聞こえていた。 「人間ってなんで起きとるかというと食料を得る為に起きとるから、本来は寝てるのが基本って聞いたことあるわ」 「え?でも人間寝過ぎても死ぬって保健の授業で言ってたよ。」 再び風の音だけが聞こえるくる。困ったように俊太と純哉は顔を見合わせる。俊太が先に口を開いた。 「俺らにはこの話難し過ぎるわ。難しく考えずにソフトな感じいこーや。」 「ええなそれ。どうせならお互いの話に評価付けよう。指で1から5まで表現するんや。」 「ええやんそれ。とりあえずやってみようか。」 チラッと純哉の手を見ると、5になっていた。えっもう始まってんのかいと思いつつも話を考える。 「はよ言えや。そっちが言わんのんならこっちから言わせて貰うで。」 純哉は言いたい話があったらしく、とても積極的だった。俊太は、手を5にした。 純哉は嬉しそうに口を開いた。 「俺なー昨日お母ちゃんとマックに行く夢見たんよ。そしたら、そこのマックの店員がめっちゃ可愛くてなスマイル頼もうかなと思ったんよ。一応母ちゃんに相談しとこって思ってなスマイル頼んでええって聞いたんよ。そしたら母ちゃんが、そのスマイルは作り物の笑顔よ。本当の笑顔と言うものは、心の底から嬉しかった時に見れるのよ。だから、スマイルなんて頼む暇があったら、芸を磨きなさいって言うてきてん。 それ聞いて目が覚めたわ。」 色々ツッコミ所があったが、堪えていた。
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