怪奇との出会い 波平 タロ

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私の祖父が住んでいたのはY県の山奥。競艇で有名な市だ。田舎の小さな駅なのに開催日にはギャンブラーチックな人達が往来している。私のじいさんの家はそんな田舎の高台にあり海が良く見えた。じいさんはいつもニコニコしていて自然と犬と孫を愛する、磯野波平の様な想像しやすい容姿の持ち主だった。私はその波平と過ごす時間がとても大好きだった。ある日真夏の夕方波平の家の近くの山を松明?が横2列、縦10列くらいの長さで歩いているのが見えた。私がじいさんに「あの山登ってる人達はなに?」と聞くと波平は「あれは狐の嫁入りだよ」と普通の事の様に答えた。
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