二つの少女の物語

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大学にも通っていて、彼氏もいるサチは私の悩みなんてわからないだろうと半ば諦めていた。 感じなくてもいい感情を抱きたくない。 面倒くさいし、そんなことで疲れたくない。 私はこれからどうしたら良いのだろう。 資格でも取って就職してしまおうか。 婚活サイトに登録して、若さだけを売りにして、適当に結婚してしまおうか。 何事もそんな上手くいくはずはない。 私の願いは何なのだろう。 夢を追い続けて叶える気持ち良さはどれほどなのだろう。 好きな人と結婚できる幸福感はどれほどなのだろう。 私はこれからも、夢もなく、好きな人も出来ず、このまま一生進歩のない日々を過ごしていくのだろうか。 * シンタロウは、良く言えば運命の人だし、悪く言えば、私にカモにされた男だ。 はたから見れば、私の物語の王子様のようでもあるが、私から見てみれば、ただの脇役にすぎない存在。 シンタロウが私を好きになって、結婚でもしてくれれば、私はミドリへの妬ましく降り続ける黒い雨が青空のごとく晴れるような気がした。 そう簡単にシンタロウが私なんかを好きになるわけないと思ったが、シンタロウも所詮ただの男子と同じ男であり、男性だった。 ミドリから羨ましいと感じてもらえればそれだけで良かった。 ミドリからの羨望の眼差しを浴びたかった。 それだけもう、やけになっていたんだ。 * バイトが終わり、真っ暗闇の家に帰る。 「ただいま」 そう一人つぶやき、コンビニで適当に買ってきたおにぎりを食べながらスマホをいじる。 ソーシャルネットワークサービスを見ていたら、キラキラ輝いている男子高校生を見つけた。 三歳年下だったが、私の三年前はこんなにもキラキラしていただろうかと考える。 半分も食べることのできなかったおにぎりをテーブルの上に置き、何を思いついたのか、気が付けば三歳年下の男子高校生にメッセージを送っていた。 ――こんにちは、毎日楽しいですか? どうせ返事は返ってこないだろうと思って、お風呂に入り、眠りにつこうとした。 しかし、すぐにその返事は返ってきた。 ――楽しいですよ! メッセージありがとうございます! 驚いた。 即レスでメッセージが返ってきた。 私は舞い上がって、こんなメッセージを送ってみた。
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