二つの少女の物語

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――会えませんか? ……完全に調子に乗った。 でも、絶対に会えないと思ったから送って見たのだ。 私のソーシャルネットワークサービスの写真は、愛犬の写真だ 投稿も愛犬のみの写真ばかりだった。 男子高校生が顔を見ずに会ってくれるわけがない。 怪しまれて終わるだけだ。 ――この辺に住んでいるんですか?高校生ですか? あなたのことをもっと知りたいです。 そんな返答が返ってくるとは思わなかった。 私は怖くなって、返事をするのをやめた。 最近の高校生は、ネットで連絡を簡単に取って、興味を示してくれるのか。 嬉しいような、怖いような、心配になった。 しかし、彼とのメッセージは私に変化をもたらした。 試しに送って見たメッセージが、まさか返信を得ることになるとは思ってなかったからだ。 行動を起こした者には、何か得るものがあるのかもしれないと感じることができた。 * シンタロウと結婚して、晴れて憧れだった専業主婦になった。 ミドリとは、あのカフェ以来会ってはいない。 せっかく結婚報告をしたのに、ミドリの感情が読めなかった。     
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