プロローグ

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 「うん。   なんでも酒場のオーナーが珍しいブランデーを入手する為にわざわざ買い付けに行ったらしくて、それでリアム様にその間の店の切り盛りを頼んだらしいよ」  似合う、かも……  リアムが酒場で働く姿を想像した途端、ジュリアンはどうしても実際にリアムが働いている現場を見たくて、じっとしていられなくなった。  それに……なんで、リアムは僕にそのことを教えてくれなかったんだろう……  「……エリック、リアムがどこの酒場で働いてるか、知ってる?」  「えっ?   ……まぁ、城下には詳しいし、その酒場にも行ったことはあるから知ってるけど……」  エリックが言いずらそうに答える。  治安が悪い場所だし、危険を伴う。もしエリックの一言でジュリアンが城を抜け出したと分かれば、エリックは執事を首にさせられるどころか、ジュリアンに何か会った時には打ち首の刑にされるかもしれない。
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